あの日、あの夜、プールサイドで
あーらら。
怖い顔しちゃって。
「忠告ありがたく受け取っておくよ。
だけど……俺としては月原よりもお前の方が気になるね。」
クスクス笑いながら俺はキッチリとジュンに警告する。
「真彩の近くにいて、俺の後釜を虎視眈々と狙ってるオマエの方が俺は心配。っていうかカンに触る。」
ごめんな、寧々。
ジュンには後でキッチリ謝るけどさぁ??
ここはちゃんと釘を指したい部分だから多目に見てくれよ??
心のなかでは天国にいる寧々に謝りながら、目の前にいるジュンに釘を差す。
「どうでもいいけど俺の真彩に手を出したら殺すから。そこんとこよ~く覚えておいててね??」
そう言ってベッドの中に足を滑らせて、暖かい毛布にくるまっていると
「……月原と真彩がどうなっても知らないからな。」
「はぁ?しつこいね。
まだ言ってんの?」
「コウちゃん。俺は忠告した。
ちゃんと忠告したからな。」
ジュンは忌々しそうに呟いた後、自分のベッドにゆっくりと身を委ねた。
月原と真彩がデキてる?
ありえない。
月原と真彩が浮気してる?
ありえない。
だって月原はあんなんだけど教師だし、なんだかんだで俺を可愛がってくれてるワケだし、真彩と俺が付き合ってることだって、全部知ってる。
ありえない。
あの月原と真彩が俺を裏切るだなんて、それこそ天と地がひっくり返ってもありえない。
「全く……ジュンも、どうかしてるよ。」