あの日、あの夜、プールサイドで
そして自分の中に流れる血が心底汚く感じる。
ダメな母親と
ダメな父親から生まれた俺。
望まれずに生まれた俺。
そもそも生きてる価値なんて俺にあるのか?
望まれずに生まれた俺に、生きる意味なんてあるのか……??
いつもは考えないようにしてるけど、こんな時には考えずにはいられない。
静枝さん
真彩
寧々
それに大好きな愛児園の兄弟たち。
大好きな人
守りたい人は間違いなくここにいるのに、俺はこの感情から逃げられない。
いつも、どんな時でも、行き着いてしまうこの疑問。
自分という人間の存在意義が見いだせず、黒い気持ちだけを抱えて。押し潰されそうな、今にも泣き出しそうな気持ちで自室に向かって歩いて行くと
「あ、コウにいちゃんだ!
コウにいちゃん、おかえりなさーーい!」
少し広めのプレイルームで真彩と遊んでいた寧々に声をかけられる。
俺を見つけるや否や、遊んでいたブロックを放り出して俺めがけて駆け寄って、俺の腰元に手を伸ばしてギュッと強く抱きついてくる寧々。