あの日、あの夜、プールサイドで


寒くて凍えるようだった体も、自転車を漕いで30分もしてくるとポカポカとあったまってきて、今度は頬に触れる冷気が心地よくなる。


眠っていた細胞と言う細胞が1つずつ起きだして、俺を活性化してくれているようにさえ思う。ライトを点けてシャコシャコ早朝の道を走る俺に、ヘッドライトを点けたまま行き交うバイクと車。



それらを見ながら俺は一人で考えていた。



昨日はひどい言葉と態度で真彩とジュンを傷つけた。




――ちゃんと…謝らなきゃな…。




そしてちゃんと伝えよう。
俺が二人のコトをどれだけ大事に思ってて、大切に想っているのかをちゃんと言葉で伝えよう。



「…だよな??寧々…。」



俺は胸元にかかった寧々のお守りに向かって話しかける。





きっと寧々が生きてたら、そうしろ!って怒ると思う。
寧々に恥ずかしくない“コウ兄ちゃん”であり続けたいから……ちゃんと真彩に謝ろう。




白い息を吐きながら、俺はそんなことを思っていた。



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