あの日、あの夜、プールサイドで
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行為が終わって
ハァハァと荒い息を上げながら

「キラくん、上手だね。」

「そう??」

「うん、スッごく気持ちよかった!!」

玲奈ちゃんは嬉しそうにニッコリほほ笑む。




そんな玲奈ちゃんを横目にしながら


「でも……もうこれきりかも…。」


俺はわざと淋しそうな目をして、視線を反らす。



すると、玲奈ちゃんは目を真ん丸にしながら

「な、なんで!?」

俺を問い詰める。




「だって…俺、金ないからプレゼントもできないし、デートだって出来ないよ?それにエッチだってこんな所でしたくない。」


「…え??」


「俺……、俺ね??玲奈ちゃんが大事だって今日本当に思ったんだ。」


「…え!?」


「大事な女の子とのエッチは大事にしたい。でも俺は金がないから、場所なんて選べない。そんなの失礼だろ??だから玲奈ちゃんとは付き合わない方がいいと思う」


「そ、そんなことないよ!!」


「そんなことあるよ。
好きな子に嫌な思いはさせたくない……って……何言ってんだろ、俺。」



そう言って
俺は申し訳なさそうに、切なそうに、顔を背ける。



「ごめんね、忘れて。」



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