あの日、あの夜、プールサイドで
俺の出した悪魔な提案をウーーンと真剣な顔をして考え込む真彩。「でも」とか「だけど」を繰り返していたけれど
「このままでいいならそうすればいい。
でもさ??現状を変えたいなら何か変化が必要だと思うけどね~。ま、やるかやらないかは向坂さん次第だけど??」
ニヤリと笑って尋ねた俺に真彩はしばらく考え込んだ後
「そう⋯だよね。」
そんな言葉をポツリと呟く。
可哀そうだけど、優しい天使が毒牙にかかり始めた瞬間を俺は逃しはしない。
真彩にニコリとほほ笑んで
「気楽に考えればいいよ。ちょっとしたイタズラだと思ってくれれば。一緒にキラに一泡吹かそうぜ??」
そんな言葉を投げかけると
「⋯⋯ほんとに何もしない??」
「当たり前だろ?
大事な教え子のカノジョに手なんて出すわけないよ。」
「コウちゃんに見せつけるだけって約束してくれる??」
「もちろん。
それ以上は求めない。」
「じゃぁ⋯⋯試してみようかな⋯⋯。」
真彩は簡単に俺の手に堕ちてきた。