あの日、あの夜、プールサイドで
え?え?え??
何で引き留めるの??
何、その俯き加減の顔。
真っ赤になって
今にも泣きだしそうな顔して
そんな顔されたら、期待しちゃうだろ!?
「本気って…どういうことだよ。
年下のオトコ、からかわないでよ。」
生温かい笑みを見せて
とりあえずこの状況を煙に巻いて、この場をやり過ごそうとした、その時。
「私、コウちゃんが好き。」
「…え??」
「気づかなかった??
私…光の子愛児園に来てからずっと、コウちゃんのこと好きだったんだよ??」
今にも消え入りそうな小さな声で、真彩は呟く。
俯いたまんま
耳まで真っ赤にしたまんま
「からかってない。
ふざけてなんてない。
私は…コウちゃんが好きなの。大好きなの。」
「ま、真彩……。」
「好きだよ、コウちゃん。
コウちゃんが好きだから…、大好きだから、私は寧々ちゃんにもヤキモチ焼いちゃうんだよ。」
今にも泣きだしそうな顔をして
真彩は俺に訴える。