あの日、あの夜、プールサイドで
顔を真っ赤にして
恥ずかしそうに、俺のTシャツの裾を握りしめる真彩。
家族じゃない
お姉ちゃんじゃない
女の顔したその表情に、俺の心臓がトクトク弾む。
ヤバイ……
マジで??
マジで真彩は俺のコト好きなの??
「真彩。」
「……なぁに?」
「冗談だっていうオチは、これから先は受け付けないけど、それでもいいの??」
半信半疑になりながら、俺は真彩の手をギュッと握りしめる。
大好きな真彩
憧れていた真彩
年頃になってからは、俺も真彩も必要以上に体をくっつけたり、手を繋いだりは出来ないでいたけれど……。
久しぶりに触れた真彩の手は、細くて、白くて、小さくて……マシュマロみたいに柔らかかった。
俺とは違う、しなやかで柔らかい手をした真彩。
――ヤバイ……
もう離したくない。
触れたら最後
俺の中の最後のタガが外れて、アイツが欲しくて欲しくてたまらなくなる。
俺の中に隠れた
醜い独占欲が顔を出す。