あの日、あの夜、プールサイドで
その後……
正式に付き合うようになった俺と真彩。
寧々のプリンも仲良く二人で買いに行って、二人でアイツの登場を今か今かとそわそわしながら待ちわびる。
赤い屋根のみえる、愛児園の大きな門の前で二人で待っていると
「こうにいちゃーん!!」
「寧々っ!!」
近くのバス停に一台の古びたバスが止まり、その乗車口から満面の笑顔をたたえた寧々が飛び出す。
寧々~!!
相変わらずかわいいなぁ!!
まるで映画のワンシーンのように
反対側と反対側から走り寄る、俺と寧々。
俺たち二人の距離がゼロになって
辛抱たまらなくなった俺が寧々の小さな体を抱き上げ、ほっぺにキスの嵐をお見舞いしていると
「ふふっ。
二人は恋人同士みたいですね。」
そう言って、松浦さん(寧々の母親)が笑う。
えー??
恋人??
俺としては父親と娘の心境なんだけどなぁ。
そうは思っていても
反論しようにも
「うん!コウにいちゃんは寧々のかれし~!恋人~!おっきくなったら寧々、絶対にコウにいちゃんと結婚するもん!!」
だなんて寧々が言うもんだから、俺は何も言えなくなっちゃう。