あの日、あの夜、プールサイドで
こういうタイプって俺様が多いんだよね。
俺が!俺が!で、自己主張が強くて周りの人間が振り回されそう~。
しかも好きな女の子とかいじめそうだよね、この手のタイプは。
クソオンナ、とか
お前なんて嫌いだ!とか言いながら
実際はめっちゃくちゃ好きなくせに、メタメタに傷つけて。傷つけることでエクスタシーを感じてそうだよね……。
うん…
コイツSだ。
絶対にドSだ。
全然水泳とは違うところでげんなりしていると
「ま、考えてみてくれよ。」
「え?」
「俺はお前を諦めたわけじゃない。
お前はほんとに強くなると思うんだよ……」
そう言って
担任はにっこりと笑う。
「お前がバイトに勤しむのも決して悪いことじゃないし、その経験はお前に必要なものだと思う。
だけどな??
部活で汗水垂らすのも今しかできないことだと俺は思うぞ?」
「……??」
「諦めるな、吉良。
何かを得るために何かを我慢なんてしないでいいんだ。金も経験も何もかも、全部欲しがったっていいと俺は思う。」