あの日、あの夜、プールサイドで


こういうタイプって俺様が多いんだよね。


俺が!俺が!で、自己主張が強くて周りの人間が振り回されそう~。



しかも好きな女の子とかいじめそうだよね、この手のタイプは。



クソオンナ、とか
お前なんて嫌いだ!とか言いながら
実際はめっちゃくちゃ好きなくせに、メタメタに傷つけて。傷つけることでエクスタシーを感じてそうだよね……。


うん…
コイツSだ。


絶対にドSだ。




全然水泳とは違うところでげんなりしていると


「ま、考えてみてくれよ。」


「え?」


「俺はお前を諦めたわけじゃない。
お前はほんとに強くなると思うんだよ……」



そう言って
担任はにっこりと笑う。





「お前がバイトに勤しむのも決して悪いことじゃないし、その経験はお前に必要なものだと思う。
だけどな??
部活で汗水垂らすのも今しかできないことだと俺は思うぞ?」



「……??」



「諦めるな、吉良。
何かを得るために何かを我慢なんてしないでいいんだ。金も経験も何もかも、全部欲しがったっていいと俺は思う。」



< 42 / 307 >

この作品をシェア

pagetop