あの日、あの夜、プールサイドで
「うーーん、でも寧々のランドセルの件もあるしな~……。」
食堂の椅子にカラダを預けながら、ウーーーンと悩んでいると
「悩んでるのもったいないよ。
興味があるのなら、やってみたら??」
真彩がニコニコ笑いながら、そんな言葉を口にする。
「寧々ちゃん、ランドセルより何よりもコウちゃんが頑張ってる姿が見たいと思うよ??」
えー?そうかな。
アイツ物欲強いし、絶対怒りそうなんだけど……。
「そうそう。寧々のランドセルの金ならさー?俺だってカンパするし、みんなで頑張ればいいんじゃね??」
「え?みんなで?」
「そっ。みんなで。」
これまた人畜無害なさわやかな笑顔を見せて、俺に笑いかけるジュン。
えー?みんなで??
俺としてはアイツのモノは自分が買ってやりたいんだけどなぁ……。
頑固なのはわかっているけど
なんかその考えは譲れなくって
あんまりいい返事もできずに黙りこくっていると
「じゃぁ…さ??
寧々ちゃんに聞いてみたら??」
真彩はこんな提案をけしかける。