あの日、あの夜、プールサイドで
そしてその次の日。
「コウにいちゃーん!!」
1か月ぶりにやってきた寧々に
「なぁ、寧々。」
「んー??」
「兄ちゃんさ?行きたいところがあるんだけど、一緒に行ってくれるか??」
俺はこんな提案をする。
行きたいところ…は、もちろん学校のプール
「寧々ちゃん。」
「あ、マーヤねぇちゃん。」
「私も一緒にお出かけしてもいい??」
泳いでる間は寧々は一人になっちゃうから。それを心配した真彩は“私も一緒に行ってあげるよ”と言ってくれたんだ。
二人でしゃがみこんで
寧々の視線の高さに合わせて
ジィっと彼女を見ていると
「うーん、よくわかんないけどいいよっ!」
パックリと大きな口を開けて
ヒマワリみたいな笑顔で寧々は快諾してくれる。
ううー、寧々!!
やっぱり俺は寧々が大好きだ~~!!
「寧々、好きだ~!!」
気持ちがあふれ出してたまらなくなって。
ギュウッっと寧々を抱きしめると
「いたい、いたい!にいちゃん、いたい!!」
寧々はクスクス笑いながら悲鳴を上げる。
あ、しまった!
やりすぎた!!
「慌てても寧々は逃げていきませんよ~!!」
「…え??」
「寧々はコウ兄ちゃんが大好きだから、逃げたりしないよぉ~!!」
そう言って
寧々は俺の頭を優しくなでる。