あの日、あの夜、プールサイドで


寧々は優しい。
あんな事件に巻き込まれて、お世辞にもいい母親の元で暮らしてるワケじゃないのに、寧々はいつも明るくて可愛くて、無邪気で優しい。


あ~あ。
やっぱり寧々を母親に渡したのは失敗だったかも!!



ニコニコ笑いながら俺の頭をイイコイイコする寧々を抱きしめて


「寧々は優しいな~。
さすが俺の妹。」


ポツリと呟くと寧々はプリプリ怒りながら


「ちーがーう!!
寧々はコウにいちゃんのお嫁さんでしょ!?」


ほっぺをぷっくり膨らませながら、俺の頭をコツンと叩いた。




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