あの日、あの夜、プールサイドで


光る泥団子だと……!!?


ムカつく!!
何だよ、その表現!!
何かよくわかんないけどムカツクぞ!!!



怒り狂う俺に


「寧々、泥団子好き~。」


「そうよね。
寧々ちゃん、お砂場でお団子作るの上手だったもんね。」


なにやらホンワカな空気の中で微笑ましい会話をしている、女子二人。





――何の話だよ、何の!!!





そんなワケのわからない空気の中で


「俺が探してるのは泥団子じゃなくてダイヤモンドなんだよなぁ。」


ポリポリ頭を掻きながら、月原はこんな言葉を口にする。




はぁ?
ダイヤモンド??
何言ってんだよ、コイツ!!



「意味わかんないコト言うな!」


「えぇ??」


「結論だけ言えよ!!」



自分でも手ごたえを感じたクロール。
それをバカにされて……正直頭にきてた俺。




イラつき度MAXで月原のヤローに食ってかかると


「多分オマエ、クロールでもいいとこまでは行くだろうけど頂点には立てねぇわ。」


「…は!!?」


「後半の追い上げだけはいいんだけど、スタート付近のタイムが遅い。この感じだと、いいとこ全国止まりだな~、たぶん。」


ヤツはノートに何かを書き込みながら、俺に視線を移すことなく、冷静に淡々と分析し始める。

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