あの日、あの夜、プールサイドで


はぁ?なんじゃそりゃ。
意味わかんねぇ!!


つまりは…
手→足って順番でやれっつーこと??


なんかちぐはぐだな、その動き……




「わかった。
やってみる。」



月原に言われるままにその泳ぎ方をしてみると


「お、うまいうまい!!」


月原は嬉しそうにそうつぶやいたけど、正直そんなに進んでるとは思えない。




めんどくせー。
ヤだな~、平泳ぎ。



げんなりする俺に、楽しそうに隣で泳いで見せる月原。




「じゃぁ今度は蹴った後、カラダをまっすぐ伸ばしてみろ。」



えー!?
またややこしい泳ぎ方を…!!!



「わかった……。」




どうせ俺に平泳ぎの才能なんてないのにー。




そう思いながらも水をかいて、半分ぐらいで足を引き付けて、キックした後カラダを流線形にまっすぐに伸ばすと


「お!うまい!!」


月原は感嘆の声を漏らす。




「いいか、吉良。これが平泳ぎだ。
プル→キック→ストリームのタイミングのいい繰り返しが平泳ぎを楽に泳ぐコツになる。
ま、いろいろ言いたいことはあるけれどまずはそれでもう一回泳いでみろ。」




< 66 / 307 >

この作品をシェア

pagetop