あの日、あの夜、プールサイドで
◇陰るヒマワリ
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それから一ヶ月
俺は水泳部に入部し毎日毎日練習に明け暮れる毎日を過ごしていた。
毎日クタクタになるまで泳いで、愛児園で飯食って風呂入った後、勉強。
「頑張りすぎは体に毒よ?」
そんな俺を見て静枝さんは心配してくれていたけれど、むしろ今の毎日の方が心地いい。
漠然とした目的に向かって勉強するんじゃなく、ハッキリした目的のために勉強するって意外と楽しい。
平泳ぎを知れば知るほど、複雑な泳ぎ方に感心する。それを知ると筋肉だけの筋肉バカじゃ、この理論に追い付けない、と思い知る。
二つ必要だ。
何にも勝る筋肉と鋭敏な頭脳。
二つないと俺はきっと普通の選手で終わってしまう。
勉強は頭の体操だと思えばいい。
ひらめきと記憶を鍛えるいい訓練だと思えば、何だって楽しめる。
六月に行われた中間テストの成績は学年3位。今までで一番いい成績だった。