あの日、あの夜、プールサイドで
俺と寧々の関係は相変わらず。
週末に遊びに来る寧々と一緒に練習に行って、帰ってきて一緒に遊ぶ。
だけど……さ?
ある日、寧々は気になる一言を俺に吐いた。
「ごめんな、寧々。
あんまり遊んでやれないから、寂しいだろ。」
学校からの帰り道
夕暮れのなかを二人で手を繋いで愛児園に帰っていると、寧々はこう言ったんだ。
「大丈夫!
だって寧々ね?おうちに帰ったらパパがいるから。」
なん……だって?
「どういうこと?寧々。
お前、ママと二人暮らしじゃないのか??」
寧々の母親と父親には前科がある。
寧々の父親と母親は覚醒剤の所持と使用で刑務所に服役してた。
母親が先に出所して寧々と二人で暮らしてたけど、もしかして……
ありえない!
そんなことありえない!
おれは行き着いた答えに抗うように、ブンブンと首をふる。
いや、大丈夫だ。
共犯だった二人だぞ??
警察が許すはずない!
心配になった俺が問い詰めると、俺の天使はニッコリ笑ってこう言ったんだ。
「あのね。この間からパパも一緒に暮らしてるの。毎日とっても楽しいんだよっ??」