あの日、あの夜、プールサイドで
真彩は優しくて
その場にいるだけで空気が浄化されて、自分まで優しくなれるような、そんな不思議な雰囲気を纏った女の子。
知れば知るほど好きになり
俺にとって真彩は誰より大切な女の子
静枝さんの言うところの“お姉ちゃん”だなんて思った時は一度もない
今思えば…
真彩は俺の初恋だったんだと思う。
真彩に見つめられるとそれだけで嬉しくて
話しかけられると飛び上がりたくなるほどうれしくて。
二人でいられたら
それこそ死んでもいいと思えるほどに幸せだった。
「ねねちゃん。
ダメ…かな??」
寧々は真彩に笑いかけられると、ギャン泣きをゆっくり止めて。手のひらのキャンディーをじっと見つめると
「…うー。マーヤねえたんがそういうなら…ねね、がまん…。」
苦しそうに、悔しそうに
そんな言葉を呟いた。