あの日、あの夜、プールサイドで
「人生にはなぁ!!
逃しちゃいけないタイミングっていうモンがあるんだよ!!」
「…月…原……。」
「何か起こって後悔したって遅いんだ!!
後悔するぐらいならなぁ!!!…自分から動き回った方がよっぽどマシなんだぞ!!!」
怒り狂う月原に
泣き叫ぶ真彩
部員の奴らも何だ、何だ、と俺と月原の攻防を見守っている。
寧々…
寧々…!!!
脳裏に浮かぶのは寧々の笑った顔、怒った顔、喜んだ顏。
そして…泣いてる顔
ダメだ…
寧々を探さなきゃ。
アイツ、絶対泣いてる。
迷子になって、不安になって、絶対泣いてるはずだから、俺が…迎えに行ってやらなきゃ。
俺が探してやらなきゃ。
俺が…寧々を見つけなきゃ!!
月原の声に正気に戻った俺。
近くにあった白いTシャツを羽織って着の身着のままでプールサイドを飛び出すと
「…行こう、真彩!!」
「…コウちゃん…!!」
「寧々が…待ってる!!!」
俺は真彩の手を引いて、寧々が消えたという愛児園へと駆け出した。