リアリスト
ポツン
ポタポタ
サー…

雨が降り始めた。




「うわ〜どうしよ…」


もちろん傘は持ってきてないし、帰れる家が近くにない。


「リョーコ、俺の家来いよ」

「は?」

「いくあて客のとこしかねーんだろ?」

「…そうだけど」

「んじゃ、来い」


翼にあたしは半強制で家につれていかれた。
車に乗せられ
ついた先は公園から
30分くらいの
都内のマンション。



「翼って、免許あったんだ。」

「まあね〜」

「便利だね」

「でしょ♪」


車を降りて、マンションの中へ入った。


「え?!1階なの!!」

「うん、それが?」

「せっかくマンションなのに意味ないじゃん!!」

「…悪かったねぇ1階で」


部屋に着き、鍵を開けて中にお邪魔した。
あたしは奥のリビングにある白いソファーに腰をかけた。
翼の部屋は殺風景で最低限のものしかなかった。
大きい液晶薄型テレビ。
空気清浄機。


「はい、タオル」

「あ、ありがと」

「いま、風呂わかしてるから。」

「…うん」



なんか変な感じ…。
友達て言えるほど
親しくない翼は、
客って言えるほど
他人でもないし…。

すごく変な感じだ。


「リョーコって彼氏いんの??」


「え?」


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