リアリスト


今日の公園はやけに小さい。


アスレチックさえない。
ベンチだってひとつしかない。
ただ、意味なく木が二本ほど淋しく真ん中にたっているだけ。

こんなにショボい公園も珍しい。

タバコは滅多に吸わない。
昨日の女性客に
『このタバコは美味しくない』
と言って貰った。


あたしにはタバコは滅多に吸わないから味がわからない。

でも、することがないから
朝の一服としてこうして、
意味なく吸っている。



「すみません」




声のするほうへ顔をやった。

「火くれませんか??」

声の男は
一瞬、女かと思うくらい美形で
中性的な顔だった。


「いいですよ。」

あたしはそう答えた。

彼は隣に腰を下ろして、
あたしは彼のタバコに火をつけてあげた。

その時の彼のタバコをもつ手は
白くて細長くてキレイだった。

彼の美少年的な容姿には
タバコは不似合いなアイテムだ。

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