リアリスト
慣れた手つきでタバコを吸う。


どこか遠くを見つめる美少年にタバコの煙で切なさが漂った。



「あの・・・」


こっちの視線に気付いたのか
目が合って、美少年は話し掛けてきた。


「何?」



あたしは無意識に目を反らして返事をしてた。



「近所に住んでる人ですか?」



「ううん」



「やっぱり」


「どうして?」



やっぱりと言った美少年の笑顔は尋常じゃなくかわいい。


「だって、この公園、俺以外の人立ち入り禁止だもん」


「え?!ごめん」


「……ぶ…ハハハッ」


あたしに背を向けて美少年は吹き出し、笑いだした。


「え、なに!」

「んなわけねぇじゃん」

「は…?」

「俺以外立ち入り禁止とかありえねぇってこと!」


美少年はずっと笑顔だ。


「なんだよ〜もぅ、なんかあたしマジに焦ったし!」

ため息をついた。


「あんたさ、歳いくつ??」


美少年はふいにきいてきた。


「ハタチ。」

「マジ?」

「"マジ"だよ。君は?」

「俺?ハタチ。」

「え?!詐欺!!」

「何で!!」




『ハタチとは思えないくらい無邪気だったから』

とか言ったら今の君は

『なんだよそれ〜。子供って言いたいのかよ!』

っていうんだろうな。少しすね気味に。


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