小さな主人と二人の従者
 降参したように答えると、ジュリアの頭に手を置いた。

「怪我をしたの?頭部は?」
「記憶喪失になったのは頭を打ったからじゃないの。屋敷から森へ抜け出たときにはもう記憶がなかったの」
「屋敷?どういうこと?」

 ずっと前に二人に説明したように彼にも説明をした。

「願いが叶う花の実のことを知っている?」
「知っているよ。そっか。それを食べたから記憶がなくなったんだね」
「食べたから?どういうこと?」

 話についていくことができず、カーシーの話を中断させた。

「それを食べて願いを叶えた代償として、自分にとって大切なものを失うんだよ」

 ジュリアのなくした大切なものは『記憶』だった。自分が食べた実のことを知って、記憶をなくした原因がわかった。

「それともう一つ。記憶を失う前の君は精神的に強いダメージを受けていた。それは誰が見てもすぐにわかるくらいに」
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