小さな主人と二人の従者
もしかしたら、強いダメージを受けて楽になりたいという願望から記憶喪失になったかのかもしれないと、今更ながら考えた。
ギャレットとケネスは願いを叶えた代償のことを言わなかったのは、精神的に追いつめられていたジュリアを知っていたから記憶喪失だと強く言い張ることができなかったのかもしれない。ギャレットもそのことを知っているから、ケネスに実のことを内緒にするよう言ったのかもしれない。
「この二つが記憶喪失の原因と考えることができるね」
「私はどうして元気がなくなったの?そのとき何が・・・・・・」
カーシーは指をジュリアの唇に当てて話を遮った。
「思い出したい?ジュリア」
「思い出したいよ」
忘れてはいけないことを忘れているに違いないから。
「思い出すことを後悔する日が来ても?」
「それでも、カーシーのことも他のことも忘れたままで終わりたくないの」
少しずつでも記憶の欠片を取り戻しつつある。この調子を崩す訳には行かない。
「カーシーに協力してほしいの。あなたとどう接していたのか、何を話していたのか、とにかく動かないと何も思い出すことができない」
ギャレットとケネスは願いを叶えた代償のことを言わなかったのは、精神的に追いつめられていたジュリアを知っていたから記憶喪失だと強く言い張ることができなかったのかもしれない。ギャレットもそのことを知っているから、ケネスに実のことを内緒にするよう言ったのかもしれない。
「この二つが記憶喪失の原因と考えることができるね」
「私はどうして元気がなくなったの?そのとき何が・・・・・・」
カーシーは指をジュリアの唇に当てて話を遮った。
「思い出したい?ジュリア」
「思い出したいよ」
忘れてはいけないことを忘れているに違いないから。
「思い出すことを後悔する日が来ても?」
「それでも、カーシーのことも他のことも忘れたままで終わりたくないの」
少しずつでも記憶の欠片を取り戻しつつある。この調子を崩す訳には行かない。
「カーシーに協力してほしいの。あなたとどう接していたのか、何を話していたのか、とにかく動かないと何も思い出すことができない」