小さな主人と二人の従者
　髪の色は銀髪に紅い瞳の吸血鬼がギャレット、髪の色は金髪に緑がかった青い瞳の吸血鬼がケネス。
　自己紹介をされてしまっては返答しなくてはいけない。

「私はジュリア・ブルーム。さてと・・・・・・」

　立ち上がろうとしたときにギャレットに手を掴まれた。

「どこへ行く気？」
「帰るの」

　これ以上ここにいたら、危険だとわかっていたので、一刻も早く離れたかった。

「俺達も行く」
「ギャレット！？」
「助けてくれた恩がある」

　咄嗟に助けはしたものの、彼らを信用するのは難しい。

「何？その疑いの眼差し。何も企んでなんかいないからね」
「さっきまで人の血を吸おうとしていたのに？」
「頬についていた血を舐めたからましにはなったよ」

　でも、まだ足りないようだった。もう一度断ろうとしたときにケネスが提案した。

「こうしないか？俺達が家まで送ることにする」
「ここにいても、魔獣達に会うかもしれないよ？もう暗くなっているから急いで俺達の家に帰ろう？」
「自分の家のように言うな！」

　とんでもないことを言い出すので、ジュリアは怒った。

「細かいことは気にしない。ほら、行くよ」

　ジュリアの家を知らないのに、歩く方向が当たっていた。

「妙な真似をしたら許さないからね」
「はい。じゃあ、出発！」

　二人に引きずられるように、暗い夜道を三人で家まで歩いていくことになった。
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