小さな主人と二人の従者
「私・・・・・・」
「ジュリア、私のことがわかる?もう、何度呼んでも全然反応がないから、何事かと思ったわよ」
「ごめん・・・・・・ミラベル、あのさ・・・・・・」
「ジュリアちゃん、そろそろ行かない?」
「でも、話したいことが・・・・・・」

 こうなったらミラベルにも話してしまおうと思ったときにどこかで窓ガラスが割れる音がした。急いで外へ出ると、魔獣が廊下で唸っていた。

「魔獣!?」
「どうしてこんなところに?」

 話している暇はなかった。
 魔獣がこっちに向かってきたので、すぐに攻撃魔法をぶつけたのに、避けられてしまった。ジュリアにビームを放ったときに隣にいたギャレットがジュリアを抱えてかわした。

「さっさと片づけないとね」

 ギャレットはそう呟くと、剣を使って、魔獣を一撃で仕留めた。

「他は大丈夫なのかな?」

 ジュリアが心配していると、先生達が駆けつけた。

「みんな、無事?」

 セリーナ先生は若干息を切らしている。

「はい、大丈夫です。先生、魔獣はもういませんか?」
「いないわ。誰も怪我がなくて良かった」
「なぜ魔獣がやってきたのですか?」
「門を確認したところ、どうやら鍵が開いていたらしいの」
< 116 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop