小さな主人と二人の従者
　朝や昼休みに学校の外へ出ることは許可されていて、その際に校章を門の前にかざして開ける。生徒の閉め忘れを考えたが、魔法を使うことができる外部の者なら、開けようと思えば開けることができてしまう。

「さあ、戻りなさい。このことは私達が調べますから」

　先生がジュリア達の背中を押して、この場から遠ざけた。

「もしも、魔獣の群れが学校に入っていたら、大混乱になるところだったぞ」

　そう考えると恐ろしい。手配魔獣や大型魔獣が来て下手をすれば、死者が出ていたのかもしれなかったのだから。

「それにしても、相変わらずの腕前ね」

　短時間であの魔獣を倒したギャレットの強さを改めて見せつけられた。

「ジュリアちゃんにそう言ってくれるなんて光栄だな」

　レベル上げのための訓練のときも魔獣に向けたときも表情が普段と違う。

「さっきはとても怖かった」

　ジュリアはギャレットが怖くて、ミラベルに寄った。

「何でそっちへ行くの？」
「何の躊躇いもなく魔獣に向かった者が言うことではないから」
「ははっ、確かにそうだな」
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