小さな主人と二人の従者
従者
　家に着くと、想像通りに彼らは無遠慮に土足で家の敷居を跨いだ。

「ちょっと送るだけじゃないの！？」
「広いね」
「お邪魔します」

　家全体を見回すことに夢中で、ジュリアの声が届いていない。

「人の話を聞きなよ！」

　二人はまるで友達の家に遊びに来ているようだった。
　しかし彼らはそれに対して何も言わない。

「やっと着いたな」
「良い匂いがするね。何かな？」
「駄目だよ！開けちゃ！」

　ギャレットは匂いにつられて、台所にある鍋の蓋をギャレットが開けようとしたのでジュリアは急いで止めに入った。彼はとても空腹のようで喉を鳴らしている。

「美味しそうだね。今日作ったの？」
「あんた達は吸血鬼でしょ！？」
「俺達は血だけで生活していない。そこらに売っている食材で料理して食べることだってできる」

　それを聞いたジュリアはそんなことができる吸血鬼に驚いた。
　もしかしたら、ジュリアの知っている吸血鬼の違いがたくさんあるのかもしれないと思い、ちょっと興味があった。

「他にも何かある？私達のようにすること」
「棺桶で眠ると思っている奴がいるようだが、それも違うな」
「違うね。ベッドで眠る」
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