小さな主人と二人の従者
 情報を流したのはミラベル。

「他にも行きたいところを決めておけよ」
「それなら大丈夫です」

 もうすでに計画を立てているのかと思いきや、それははずれた。

「ルースが傍にいてくれるなら、どこへ行っても楽しいです。だから明日はゆっくりしましょうね」

 ルースはすぐに顔を赤くするからわかりやすい。

「言われなくてもわかっている」

 ジュリアの心の中を読んだようにギャレットはそのまま声に出した。

「ルース君が茹蛸になっている」
「黙れよ、ギャレット!」

 ケイティが鼻を動かしながら、教室の中を歩いている。

「なんだかいい香りがしますね」
「本当ね」

 どこからだろうと教室を出ると、大きな影がジュリアを覆った。

「みんなお揃いだね。何をしているんだい?」

 大きな影の正体はエヴァン・シアーズ。操族でジュリアと同じセーラ地方出身の青年。

「エヴァン、ルースとケイティのデートについて話をしていたんだよ」
「ジュリア!デートじゃねぇよ!」
「違うのですか?ルース」
「あ、いや・・・・・・」
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