小さな主人と二人の従者
「もう一回勝負しようよ！」
「アンナばっかりずるいよ。私ともやろう？」
「おい、アンナ！次は俺としようぜ！」

　同時に誘われて、奥へ行こうとしたときに二人の足音が近づいた。

「おや、何だか楽しそうなことをしているね」
「ジュリア、その格好は・・・・・・」

　ギャレットとケネスが談話室にやってきた。

「ジュリア先生、具合が悪いから診察してくれない？」

　シャツのボタンをはずそうとするギャレットの手を慌てて止めた。

「熱があるみたいなんだ」

　今度はジュリアの手をギャレットの額まで持ち上げた。

「ないですね」

　お医者さんごっこを続けようとするギャレットと女医になったジュリアをまじまじと見つめるケネスもゲームに誘われた。ギャレットとケネスが最初に勝負をして、ギャレットが負けて、ケネスが勝った。ギャレットがカードを使ったらどうなるのかと期待していると、カードを使わずに他の生徒とゲームをした。

「みんな盛り上がっているわね」

　ジュリアの隣にはミラベルが立っていた。ジュリアと違って制服を着ているが、声が違っていた。落ち着きのある声から子どもの声に変わっていた。
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