小さな主人と二人の従者
「そろそろ授業が始まる時間ですよ?遅刻はいけませんから」
「でも・・・・・・」

 女子達が動こうとせずにいると、プラシダが彼女達の背中をそっと押した。

「後で先生に怒られてしまいますよ?生徒は生徒らしく、真面目に授業を受けなくては」

 女子達は渋々ながら、それぞれの教室へ向かった。

「かなりの人気ですね」
「みんなパワフルで圧倒されますよ」

 タデウスは若干疲れた顔をしていた。

「しばらく続くと思いますが、少しずつ落ち着くと思いますから」
「ありがとうございます。ジュリアの笑顔は癒されます」

 プラシダはジュリアににっこりと微笑んで、ジュリアの頬はさくらんぼのように染まった。ジュリアが褒められたことを喜んでいると、ギャレットがジュリアの肩を掴んで後ろに下げた。

「そうやって誰にでも愛想を振りまくから、さっきみたいなことになるんじゃないの?」
「ちょっと、ギャレット!」

 ギャレットはジュリアに少しでも好意があるものに対しては冷たく接している。

「すみません」
「謝ることはないです。ギャレット、あまり彼女達を邪険に扱いたくないだけです。可愛い後輩達ですから」
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