小さな主人と二人の従者
 ギャレットは特に興味がなさそうだった。

「三人もそろそろ行きなさい。本当に遅れてしまいます」

 タデウスの時計を見せてもらうと、急げば何とか間に合う時間になっていた。

「はい!それでは!」
「失礼します」
「じゃあね、お二人さん」

 二人と別れ、ギャレットとケネスは一階で授業が行われ、ジュリアは三階だった。

「ずるいよ!私だけ遠いところなんて!」
「仕方ないだろ。頑張れ」
「ファイトだよ。ジュリアちゃん」

 ギャレットとケネスとも別れて、ケイティと角を曲がるところでぶつかりそうになった。

「わっ!ケイティ、どうしたの?」
「ジュリア遅い」
「わざわざ来てくれてありがとう」

 心配してくれたケイティにお礼を言うと、彼女は頷いてからジュリアを背中に乗せて飛びながら教室まで向かった。

「ま、間に合った」
「本当ね。ジュリア」
「セリーナ先生!」

 セリーナ先生が教室に入って教卓に荷物を置きながら、お喋りをしている他の生徒達を静かにさせた。

「あなたも早く座りなさい」
「はい」
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