小さな主人と二人の従者
 カーシーは笑顔になって、部屋へ招き入れてくれた。前に来たときと違って、本が数冊並べられている。

「どれか読む?」
「うーん、それよりまた話を聞かせてくれない?」
「いいよ。どんな話がいい?」

 ジュリアはギャレットについて情報が欲しかったので、ギャレットについて話を聞くことにした。

「どうしてギャレットのことを知りたいの?」
「・・・・・・彼が言っていることが矛盾している」

 先日にミラベルから彼について聞いたことをカーシーに説明すると、カーシーはすぐに納得した。

「なるほど、だから彼について聞きたいんだね?」
「そう。どういうつもりで嘘を吐いているのかわからないけれど、ひょっとしたら他にも何かあるかもしれないから。カーシー、彼は昔から嘘を吐いていたの?」
「ときどき嘘を吐いていたよ。それで騙された相手をからかって遊んでいるところは何度も見たことがあるよ」
「私が周囲の者達を怖がったときはどうだった?」
「心配はしていた。けど、それはそうなった理由がわからないからではなくて、わかっているから心配している感じに見えたよ」
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