小さな主人と二人の従者
「そこは何とも言えないね。でも、あまり良いように考えることは控えるべきだよ」
「どうして？」
「仮にジュリアのことを馬鹿にしていたとしたら、きついでしょ？信じていた分」

　そんなことをできることだったら考えたくない。
　だけど、どういう理由でジュリアの傍にいるのか、理解できていないから、彼に対しても慎重にならないといけない。

「ケネスはどう？不審な動きとかない？」

　ギャレットのことをひとまず置いておいて、今度はケネスに変わった。

「ないよ。むしろ、ギャレットが何か悪戯をしようとしたときとか、よく止めてくれる」

　ギャレットは気紛れで楽しいことが好きだけど、ケネスは常識があって、真面目な性格だ。ジュリアが助けを求めるのはケネスが多い。

「どうして二人は一緒に行動するようになったの？前から仲が良かったとか？」
「ジュリアが記憶をなくす数ヶ月前から、何度か一緒にいるところを見たよ。ま、同じ吸血鬼だからね。話が合うところは合うんじゃないの？」

　二人のやり取りを見ていて、仲が良いと本当に思う。ジュリアを置いて、ひたすら二人で話し続けるときがあるから。
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