小さな主人と二人の従者
「ケネスにもギャレットのことを相談しようかな?」
「やめておきなよ」

 カーシーがストップをかける。

「ケネスだったら、秘密を守ってくれるよ?」
「そうじゃないよ。彼はギャレットの近くにいる存在。ケネスが話さないとしても、ギャレットが気配を消して耳を傾けているかもしれないからね」

 ギャレットならやりそう。いや、もうすでにやっていた。
 五日前にギャレットが先生に呼び出されている間にケネスと二人で食事をしようと話していたときにギャレットは瞬間移動で戻ってきていて、話をしっかり聞かれていた。冗談を本気にしていたので、彼はしばらく怒っていた。

「問い質す勇気もないしね・・・・・・」
「難しいね」

 やっぱり地道に記憶の欠片を集めていくしかなさそうだった。

「まだ時間は大丈夫?」

 時計で確認をして、二十分経過したら、授業が終わる。

「せめて過去の世界にでも行くことができれば良いのに・・・・・・」
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