小さな主人と二人の従者
 彼女の髪の色と瞳の色は薄いピンク色。あまりにも綺麗でうっとりとしてしまう。

「学校は楽しい?」
「楽しいよ。一人私の周りをうろつく男がいるけどね」
「ふふっ、ギャレットのことね。もてるわね」
「よく言うよ、あなたは華族なのに。前も告白されていたでしょ?」
「あらあら、見られていたのね」

 彼女は華族だったとこのとき初めて知った。ギャレットの存在も知っていることも。

「ギャレットを何とかできないの?」
「無理よ。試しに力を使ってみたけれど、効果がないわ。こんなことは初めてよ?」

 これはジュリアに纏わりつくギャレットに華族の力で誘惑しようとしたけれど、彼には効果がなかったという解釈で当たっているのだろう。

「力が弱まっているとか?」
「それはないわね。他の方達なら、私が意識して力を使わなくても近寄るのだから」
「もっと集中して力を抑えないと、変な男に出会ったら大変だよ」
「心配してくれてありがとう、ジュリア。でも、私は・・・・・・あら!」
< 143 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop