小さな主人と二人の従者
　ギャレットがジュリアにある質問してきた。

「ジュリア嬢、最近はぐっすり眠っている？」

　ギャレットが口端を上げながら問う。

「眠っているよ」

　ジュリアは僅かに視線を逸らした。

「嘘吐き。夜中に何度か目が覚めるでしょ？」

　隣で笑っているギャレットに居心地の悪さを感じていた。

「ジュリア様、何かあったのか？」

　心配そうに見つめるケネスは壊れやすいものを触れるようにジュリアの頭に手を置いた。

「そうじゃないよ。夢を見て起きてしまうだけ」

　今度は本当のことを言った。
　あの写真を見て以来、たくさんの夢を見て、眠った感じがしない日が続いている。
　だけど、それを彼に伝えることはできない。

「最近はどんな夢を見るの？」

　最近の夢は日によって違う。その中から変な夢を教えることにした。

「ベッドにくまのぬいぐるみを置いているでしょ？あのぬいぐるみがなぜかいっぱいいて、さまざまな仕事をしていた」
「何だよ、そのおかしな夢は」
「本当に何なのだろうね」

　学校の厨房で日々働いているぬいぐるみと家のぬいぐるみを重ね合わせている。
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