小さな主人と二人の従者
「お待たせいたしました!お客様!」
「あれ?早いね」

 五分以上待たされることをジュリアは想像していた。それなのに待たされた時間は三分程度だった。ジュリアが注文したものを店員から受け取って、ミラベルに渡した。

「私達の前に並んでいたお客さん達が団体で半数の方々がすでに受け取っていたのよ」
「それですぐに渡してもらえたのね」

 早速食べると、濃厚な甘さで蕩けそうになった。

「んー」
「ジュリア、幸せそう」

 本当にそうだった。だから時間をかけて味わいながらスイーツを食べた。

「ミラベルは?美味しい?」
「ええ、美味しいわよ。これは何度食べても飽きることがないわね」

 ジュリアはこの店のことを知っていたが、一度も食べたことがなかった。

「ただ食べたいからを理由にしたら、週に何回か買ってしまうから、きっかけを作ればいいのよ」
「きっかけ?どんな?」
「そうね、テストを頑張った自分へのご褒美とか」

 そうでないと、欲を埋めるために買い続けると、自分の体型が崩れてしまう。
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