小さな主人と二人の従者
 身長が低くてもウェディングドレスを着ることはできる。
 昔からジュリアは他の者達と比べて、身長が低い女の子だった。おまけに童顔だからたまに子どもに間違えられることがある。

「身長はもっと頑張って伸ばすから!」
「そんなに真剣にならなくていいじゃない」

 それでもジュリアは引き下がろうとしなかった。

「そんなに言うなら、ギャレットが縮んで!」
「無茶を言わない」
「楽しそうだな。もう仲良くなったのか?」

 ケネスがバスローブ姿で頭をタオルで拭きながら現れた。

「俺とジュリア嬢の相性はいいみたい」

 ギャレットはジュリアの肩を引き寄せた。

「ケネス、ギャレットは誰にでもこんな感じなの?」
「まぁ、そうだな」
「そんな言い方をしたら、この子が信じてくれなくなるでしょ?」

 ジュリアの質問の答えを聞かなくても、まだ信じられない。

「数時間前まで甘い香りに喜んでいたのは誰だ?」
「ケネスだよ」

 そんなギャレットにケネスはガクッと力が抜けた。自分のことはそこに入れていない。

「カレーができたから食べよう?」

 器にご飯をよそってカレーを上からかけてテーブルに並べた。

「悪いな」
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