小さな主人と二人の従者
 ギャレットは果実酒の瓶とグラスを台所から持ってきた。

「酒場へ行くことはあるの?」
「ジュリア嬢に会う前はケネスと何度か飲みに行っていたよ」
「ケネスも酒には強いんじゃないの?」
「まさか、その逆だよ。この瓶で顔を赤くしながら何か喋って、最後には寝てしまうからね」
「じゃあ、ケネスは酒を飲んじゃいけないね」
「そうだね。おぶって帰るのはもう勘弁してもらいたい」

 酒場で酔い潰れたケネスをギャレットは嫌がりながらも放置することはなかった。

「ケネス、普段はしっかりしているのに、そういう面もあるのね」

 ジュリアとギャレットはそれぞれの飲み物を飲みながら、笑っていた。

「起きたらからかわない?」
「面白そうだけど、そっとしておこうよ」
「ケネスには優しいね。ジュリア嬢は」
「そんなことないよ」
「さて、そろそろ寝ようか?」
「うん、今日は疲れた」
「抱っこしてあげる」

 ジュリアが断っても、ギャレットはジュリアの頭の下に片方の腕を置いて、もう片方の腕は腰に回す。
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