小さな主人と二人の従者
「ギャレットから見て私は・・・・・・何の力もない、ちっぽけな存在かもしれない。だけど、強くなりたいの」

 誰かに守られるばかりは嫌。こんなことは大きな自分勝手な願いなのかもしれないが、それでもこれから生きるのだから、自分がされて嬉しかったことを自分も誰かにしたい。

「俺は思っていない」
「ギャレット?」

 ギャレットが再度抱きしめようとしたときにケネスが扉をノックした。ギャレットは邪魔をしたケネスに苛立っていた。

「朝食ができたみたい。行こう」

 この日はジュリアが何かをする度にギャレットがそれをやり続けた。ケネスに止めてもらっても、ギャレットは逆に怒っていた。
 特にギャレットはジュリアにべた甘でケネスがジュリアの近くに来ただけで目を光らせていた。
 時間が経過することがとても遅く感じた日だった。

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