小さな主人と二人の従者
 誰かと家で食事をすることは久しぶりで嬉しいような、ちょっと怖いような何とも言えない気持ちになった。

「二人はどうしてあの森にいたの?」

 全身傷だらけになっていた理由を知りたかった。

「散歩中に動物達が懐いてきて相手をしていたら、ヴァンパイアハンター達が襲い掛かってきた」
「そのヴァンパイアハンター達は・・・・・・」
「もちろん始末した」

 ヴァンパイアハンターのことについてもよく知らなかった。
 森の中にいたのに、死体は見当たらなかったので、倒した魔獣のように消えるのだろうかと思った。

「吸血鬼を見た途端に目の色を変えるから参ったよ」

 目の色を変えたのは彼らだけではないことを口にしかけて、カレーを頬張ることでそれを防いだ。言ったらまた襲われかねないからだ。

「ねえ、おかわりくれる?多めに」

 ギャレットがカレー皿を渡してきたので、それを受け取って二杯目のカレーを入れる。

「おい、少しは遠慮しろ」
「たっぷり作ってあるから、ケネスもどう?」
「じゃあ・・・・・・」

 あっさりとカレー皿を差し出したケネスをギャレットは笑っている。

「あはは、ケネスも食べたかったんだ」
「黙れ」
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