小さな主人と二人の従者
 次の日、カーシーに会うために隠し部屋へ向かっていた。

「それで見てもらいたい写真はどれのこと?」

 ギャレットと一緒にいる写真をカーシーに見せると、彼は目を見開いた。

「誰だかわかる?」
「うん、ギャレットでしょ?」

 カーシーの口からすぐに彼の名前が出た。

「正解。これ、どれくらい前なのかな?」
「ジュリア、家で見つけた写真じゃないの?」
「違うよ。これはね・・・・・・」

 みんなで談話室にいたときにもう一度写真撮影をしてもらう予定だったのに、転んでレンズを駄目にしてしまった。だから、カーシーに写真を見せる日がずれてしまった。カーシーに説明すると、複雑そうな表情をしていた。

「つまりこれはジュリアがギャレットを強く想っている証拠だよね?」

 カーシーのストレートな表現にジュリアはどう返事をしようと考える。

「そんなんじゃ・・・・・・」

 曖昧な言い方になってしまった。

「ちょっと嫌だな」

 カーシーは顔を腕で隠しながら、溜息を吐いている。

「このときの夢を見たいの」

 カーシーはもう一度、ジュリアに渡された写真を見た。

「このときのジュリアは幼いね。八か九くらい?」
「いくら私が小さくて、童顔だからって、そこまで幼くないよ!」
「これも真剣に言っているんだよ」
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