小さな主人と二人の従者
「お嬢ちゃん、この血はね・・・・・・」

 ギャレットがしゃがんでジュリアに話しかけようとしたときに気配を感じて、剣を抜いた。奥から出てきたヴァンパイアハンターを次々に倒した。ジュリアは動くことができずにいると、背後から吸血鬼が出てきて、ジュリアを餌にしようとしている。叫び声を上げると、耳元で鈍い音が鳴る。顔を上げたときには恐ろしい吸血鬼はもうどこにもいなかった。

「もう君を襲う者はいないよ」

 ギャレットは片手を振って、どこかへ行こうとした。

「待って!病院!怪我をしている」

 ジュリアが病院へ連れて行こうとすると、ギャレットはジュリアの肩を掴んだ。

「俺の血じゃない」
「そうなの?」
「そうだよ」

 ギャレットが怪我をしていないことにジュリアは安心した。
 だけど、そうなると、この血は誰の血になるのか。予想がつくのは吸血鬼が嫌うヴァンパイアハンター。
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