小さな主人と二人の従者
 本当は写真のことや夢に出てくる者達のことも話して、そのことについて聞きたかった。どれもギャレットが関わっているから、知っているのは確実だ。

「どうして刻印をつけたの?」
「私にもう一度会いたかったからみたいなの」
「ジュリアの気持ちを無視して、自分勝手なことをするね」

 やはりカーシーに頼って記憶を取り戻していかなくてはならない。ギャレットが協力してくれたら、一番の近道となるのに、自分の思うようにならない。

「ジュリア、夢を見る?それとも先にお昼を食べる?」
「外で食べる。大広間は行きたくない」

 ギャレットと顔を合わせづらい。言葉を交わすことができたとしても、きっと長く続かず、居心地を悪くしてしまう。

「俺と外で食べよう。まだ三十分はあるから」

 学校の外は飲食店がたくさん並んでいて、外で食べる生徒達が約半数いる。

「店は決めている?それとも、これから?」
「もう決めている。ここからそんなに遠くないレストランだよ」

 実験室を出て、そのまま正門へ向かうと、プラシダさんとタデウスさんが振り向いた。

「おや?珍しい組み合わせですね」
「そうですよね」
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