小さな主人と二人の従者
「さっきのことだけれど、月曜の放課後だったらいいよ」

　ジュリアは月曜日が待ち遠しくなった。

「本当？ありがとう」
「いえいえ、そうだ。ジュリア、俺が夢を見せていないときに何か思い出したことはある？」
「思い出したことは・・・・・・魔女」
「魔女？ひょっとして黒猫を飼っていて、黒い屋敷に住んでいる魔女のこと？」
「そう。何か知っていたら、教えてほしいの」
「わかった」

　もともと森に住んでいた魔女で日々魔法薬を作っていたらしいが、苦手分野で失敗作が多かった。毒薬の依頼を受けることがあったが、体調不良にするだけで殺すことはなかった。途中から依頼する者が減っていったが、それでも依頼する者はいた。きちんとした毒薬を作るように怒鳴り散らす者や魔女が大切にしている猫に危害を加えようとする者までいた。自分と猫を守るために痺れ薬を服薬させたり、家に侵入者が来ないようにしていた。
　そんな日を送り続けて、数年後にある男性と出会った。魔女は一目見て、恋に落ちた。最初は彼に喜んでもらう薬を作ったり、魔法具を手に入れようとしていたようだが、前にケネスから聞かされていたように、彼には恋人がいる。それから彼女を傷つける魔法薬を作ることにしたらしい。
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