小さな主人と二人の従者
　ジュリアは猫舌でほんの少し冷ましてからでないと、火傷をしてしまう。それに中辛は食べられるが、ジュリアは甘口を好む。ずっと前に家で作ったカレーも甘口だった。あのときはギャレットとケネスが家に来て、そのまま何ヶ月も家に居座るようになった。

「考えごとの最中に悪いけれど、冷め切ってしまうよ？」

　まだジュリアは一度もスプーンを握っていない。

「うん、食べる」

　野菜カレーは十種類近くの新鮮な野菜が使われていて、とてもヘルシー。おまけにここはライス、カレーのルーを無料で追加することができるので、特に男性客が多い。

「カーシー、こうして外で私と食事をすることは初めて？」
「初めてだよ。てっきり別のカレーを食べると思っていたのに・・・・・・」
「何を頼むと思っていたの？」

　挟んであるメニューを開いて、数ページ捲ってから、人差し指で叩いた。

「これ」

　それはお子様カレーだった。書かれていたのはそれだけじゃない。甘くてまろやかで女性にも人気。懐かしい味と思い出すことができる。そう説明が書かれている。
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