小さな主人と二人の従者
告白
 授業中、ジュリアは先生が出した問題をやったところだった。
 だけど、問題が難しくて困っていると、ギャレットがこっそりと教えてくれた。
 ギャレットにしか聞こえないくらいの声で、ジュリアはお礼を言った。

「ギャレット、ありがとう」
「どういたしまして」
「あの問題は難しいよ」
「そうだね。ジュリアちゃんの役に立てて嬉しいよ」

 先生が別の問題を誰かに解いてもらおうとしているので、生徒達は顔を横に向けたり、下に向けている。

「本当に私しか見えていないのね」
「まあね。魔法を使っているから」

 透明になる魔法はジュリアもできる魔法だった。

「悪戯し放題ね」

 ちょっと楽しそう。

「やっぱりそう考えるんだ?俺はどうしようかな?」
「お願いだから大人しくしていて」
「ジュリアちゃん、静かにしないとみんなに不審がられるよ?」

 それはギャレットのせいだった。

「俺、そろそろ出るね?」

 授業が退屈になったのか、もう数分で終わるからかもしれない。

「ギャレット、またね」
「すぐに戻るから」

 意味がわからずにいると、先生が教科書を閉じて宿題を出してから、職員室へ戻って行った。
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