小さな主人と二人の従者
「あのさ、私は従者になることを認めていないよ」
「どうして?俺達は吸血鬼だし、安全だよ?」

 安全なんてどこから出てくるのやら。
 吸血鬼だから危険なのだと叫びたくてたまらなかった。

「ジュリア様は俺達を傷を負ってまで助けてくださった。だから今度は俺達がその役目を果たしたいんです」

 ケネスが敬語で話すようになって、ジュリアの両手をそっと持ち上げて、また深々と頭を下げた。

「従者と言われても、お金だって払うことが不可能なのに・・・・・・」
「それは大丈夫。何か必要なものがあるのなら、俺達に言って?何でも用意ができる」

 彼らはどれだけお金を持っているのだろう?
 彼らについて知らないことがあまりにも多い。

「ジュリア嬢に拒否権はないからね」
「どうして拒否権がないのよ?」
「もう決定しちゃったしね」

 ギャレットは舌をぺロッと出してウインクをした。

「もう疲れたから今日はもう寝よう?」

 マイペースなギャレットについて行けなくてケネスに助け舟を求める。

「ちょっとケネス・・・・・・」
「明日に互いのことを話しましょう。それと我々は床で寝ます」
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