小さな主人と二人の従者
 ジュリアが早急に断ったので、彼はショックを受けていた。

「誰かと付き合っているからか?」
「違う、そうじゃないの」
「だったら!」
「友達以上にはなれない。ごめんなさい」
「はあ、わかったよ」

 ジュリアの返事を聞いた彼は肩を落としたまま、教室を出て行った。

「告白をされるとは思わなかった」
「さっきの男の子に?」

 ギャレットが飲み物を片手に戻ってきていた。

「今、帰ったの?」
「うん。はい、これで良かった?」

 渡されたのはオレンジジュース。

「先に確認しておくべきだったね」
「ギャレット、さっきの、本当は見ていたんでしょ?」
「さっきの?」
「私が告白されていたところ」
「見ていないよ」

 ギャレットの虚言癖は誰にも止められない。医者だってお手上げだ。

「嘘」
「俺はジュリアちゃんが男の子に色目を使っているところしか見ていない」
「なっ!」

 ひどい言われようだった。当然好き勝手に言われるばかりで終わらせない。

「そんなことをしていない!変なことを言わないでよ!」
「いつもそうしているから、告白をされるんだよ」
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