小さな主人と二人の従者
「あんまり過激なことをしたら駄目だよ?」
「わかっているよ。加減をするから。そうだ、ジュリア嬢、食べさせようか?」
「いいよ、自分で食べるから」
「俺の主人は本当に恥ずかしがり屋だね」
「恥ずかしいことばかり言うから」
「今日、もう少し寝室で眠っていれば良かった。いろんな匂いがするから、気になって起きたんだ」
「さっき、ギャレットを起こそうと思っていたの。いつもより早く起きているから驚いた」
「ジュリア嬢が一番寝るんだよ」

 痛いところを突かれて、反論できなかった。

「だって布団が気持ちいいから」
「俺はジュリア嬢を触っていると、ずっと気持ちいいよ」

 何も知らない者が聞いたら、悪い意味を考えてしまいそうになる。
 ギャレットの発言はあまりにもストレートだ。

「紛らわしい発言は控えて」
「どこが紛らわしいの?素直に言っているだけだよ」
「後でいっぱい触らせてね?」

 やっぱりギャレットの発言は少し引っかかる。
 ギャレットとジュリアは朝食後に準備を整えると、すぐにセーラ市へ向かった。緑の葉が日の光を浴びて、風に揺られて葉が擦れている。

「どこに連れて行かれるのだろうね?」
「もう少しで・・・・・・着いた」
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